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開発ストーリー

軽量化と剛性確保を両立した薄板プロテクターフェンダー

軽量化と剛性確保を両立した薄板プロテクターフェンダー

プロテクターフェンダーは複雑な形状でプレスによる一体成形が難しく、他社が得意とする射出成形に対し、生産性やコスト面で遅れを取っていました。当社ではプレスによるプロテクターフロントフェンダーの一体成形を可能とする「USS深絞り成型工法*」を3年がかりで開発し、競争力のある製品を生み出せるようになりました。
今回は、この技術をもとに生み出された「薄板プロテクターフェンダー」に迫ります。
*USS深絞り成型工法:従来3分割に分割してプレス成形した後に組み立てていたものを一体成形で生産できるようにした新工法。成形自由度の向上と生産性向上によるコストダウンを実現できる。

USS深絞り工法を進化させ、薄板化を実現

車体骨格部品の露出を少なくして空力性能を向上させるため大型化するプロテクターフロントフェンダー。当社では改良を加えることによって、プレスによるプロテクターフェンダーの一体成形を可能にすると共に、射出成形が不得意とする薄板化による軽量化も実現しました。

開発の主体となった樹脂技術開発センターでは、製品設計と生産技術の両面でさまざまな工夫を行いましたが、この技術の特長はなんといっても薄板化と高剛性を両立したところにあります。単純に素材を薄くすれば軽量化を実現できますが、剛性は大きく落ちてしまいます。そこで、プロテクターフェンダーの面部分にビードと呼ばれる段差を設け、薄板化しても面剛性を確保することを可能にしました。

生産技術面では、成型ロールの面圧を上げることで薄板の成形を可能にしたほか、加熱炉での加熱方式を遠赤外線から中赤外線に変更したことで薄板の加熱時間を短縮できました。また、加熱された薄板を金型へ搬送する際のシート詰まりを防止するために、シート供給器なども改良しました。これらのプロセスをクリアしても、プレスで成型した際にシワなどが発生したため、金型の微調整やカム成型時の圧力調整を行い、試行錯誤しながら量産化を実現しました。

自動車の車重を数十キロ削減するためには数万点にものぼる部品を少しずつ軽量化する必要があり、部品メーカー各社がしのぎを削っています。当社のプロテクターフェンダーは軽量化に限界まで挑戦した努力と成果が認められ、日産のみならずマツダやホンダからも受注することができました。今後は軽量化と生産効率の高さを武器に自動車メーカー各社への拡販を行うと同時に、トランクトリムなどにも応用できるよう開発を継続していきます。

開発メンバーの声①
「新たな設計提案で課題を解決しました」

遠藤隆史さん

樹脂技術開発センター
遠藤隆史さん(製品設計担当)

剛性確保の決定打となったのはビードでした。段差を面部分に最も効果的に設けることで、薄板化により生じる剛性不足を解決しました。また、大型で絞りの深いプロテクターフェンダーの上部にヒンジを斜めに設けたことで、プレス成型時における生産性を大きく向上させました。今までよりも複雑な形状の製品を実現できたので、今後は足回り以外の樹脂部品の設計にも応用していきます。

薄板シート

開発メンバーの声②
「生産性の大幅向上を実現しました」

宇佐美雅人主担

樹脂技術開発センター
宇佐美雅人主担(生産技術担当)

今までの限界を超えて板厚を1.0ミリに薄型化しただけでなく、生産性も大きく向上させました。当初は1.5SPM*~2.0SPMだったものを2.5SPMまで引き上げ、最終的に3.0SPMにしたことは射出成形に対する大きなアドバンテージとなりましたし、加工費の削減にもつながりました。今後も世界で唯一のUSS深絞り工法を生産技術面から支えて、製品設計メンバーと協力しながら新たな領域に挑戦していきます。

*SPM: Stroke Per Minutesの略。1分間当たりの生産性を指す

改良前、改良後
薄板プロフェクターフェンダー生産の流れ